老年人口の増加に伴って、介護のニーズもますます高まっています。
その一方で数多くの事業所では、介護現場で必要な人材の確保に苦労しているのが現状です。
平成30年の厚生労働省による調査結果では、介護分野の有効求人倍率は他の分野に比べ、依然と高い水準にあることが判っています。
また公益社団法人介護労働安定センターが実施した労働実態調査でも、全体の7割近い事業所で、人材の不足が指摘されています。
そこで介護事業所の中には、積極的に現場にICTを導入し、作業効率を高めることによって、人材不足のカバーを試みるケースも見られます。
実際に導入した介護現場では、それまで手作業だった記録業務や計画立案業務の負担が軽減したり、職員同士の情報共有がスピーディーかつ的確になるなど、様々なメリットが報告されています。
ITCの導入は介護業界をより良くするために必要なことといえるでしょう。
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他方で、介護現場にICTを導入するにあたっては、注意すべき点もあります。
まずは導入コストの負担です。
まずパソコンやタブレットなどの購入費用の他、施設内のインターネット環境を整備する費用が必要になります。
さらに通信費をはじめ、通信の機器やシステムの保守管理費用など、ランニングコストも無視できません。
ICTの導入するならば、複数の業者から見積もりを取り、長期的な視点で十分に検討することが求められます。
もう1つ注意すべき点は、個人情報の管理です。
利用者の日常生活をサポートする介護現場には、様々な個人情報が集まっています。
ICT化した現場で万が一個人情報が漏洩すると、速いスピードで広範囲に拡散し、情報の回収は事実上不可能になります。
そのようなリスクを避けるためにも、事業所内では個人情報の徹底した管理を義務化すべきでしょう。